基本的な冬越しの仕方ver2

 皆さんこんばんは。冬越しについて以前まとめていますが、今年に得た知見を改めて加えます。本来は1つにまとめる方が良いんですが、まとめようとしたら見るに堪えかねないくらいグダグダになったのでVer1を見てVer2も見ても破綻しないようにしました。以前まとめたVer1ですが、プラ鉢やゲージ単位のミクロ的な要素でしたが、今回は温室全体のマクロ的要素です。まあ個別の対応じゃなくてサクっと温室全体で対応して冬場を凌ぎましょうってお話です。最後に長年の課題、温室の最低温度は「20℃なのか21℃なのか22℃なのか」問題についてまとめて行きます。
 
【今回のお題】
1:温室の断熱性能を上げる
2:天井の暖気だまりを下に卸す
3:温度測定は小まめに
4:冬場のオーバーヒートについて
5:最低温度問題
 
1:温室の断熱性能を上げる
冬場はとにかく温室の気密&断熱性能を上げるのが効果的です。なお気密に関しては新築住宅前提なので割愛。今回は断熱性能について述べてみます。温室の断熱性能を上げると外に逃げる熱が減るので単純にクーラーの稼働時間も減ります。室温計に付いている湿度計での計測ですが今冬は常時30%から40%、雨が降れば50%を超える時もありました。なお昨シーズンは大体20%代で洗濯したTシャツも室内干しで3時間で乾くサバンナ状態でした。
 
湿度計ですが誤差が20%30%出るのは良くありますのであくまで目安です。以前加湿器を3台作動させて湿度を上げていましたが、給水頻度が1日に数回必要なのでフルタイムのプロブリーダーはともかく週末にしか弄れない趣味家には厳しいです。そんなもので加湿器を買うよりも断熱性能を上げる方向の方がコスパ高い。一旦断熱性を上げればシーズン中ずっと効果は出ますし。翌年以降も余分なコストが掛からず使えます。なお温室全体の断熱対策を施すのが理想ですが、現実的にはドアと窓しか対策が出来ません。ただドアと窓自体かなり弱点ですのでここだけでも何らかの対策をするだけでも効果があります。

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マツバラダ・ファミリアご用達スタイロフォーム。ネックは価格。畳一帖で3-4000円。ドアと窓はほぼこれで塞ぎました。ドアは両面テープ、窓はサイズを測ってテープで止めず、無理やり窓枠に押し込みました。考えるな貼れ。
 
そして窓の二重窓化。

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以前住んでいたシェアハウスがまんまこれで後付けの二重窓。「こんなの効果あるんかいな?」と思っていましたが、住んでみるとかなり暖かい。温度差は測っていないので来年OB特権で訪問して測っておきます。
 
因みに施工次第で結露や窓周辺の造作を痛めます。特に結露。施工直後だけでなく週一程度で結露確認をしてください。因みに賃貸物件の場合、この辺の確認を怠ると退去時に目玉が飛び出る退去費用が掛かる場合がございます。
 
2:天井の暖気だまりを下に卸す
我が温室、冬場の床面と天井付近の温度差が最大6℃でした。4℃差くらいだと思っていたら結構あるんですぬ。なので床面が20℃の時、天井は26℃です。照明が点灯するとゲージ内の温度まで把握するのはもっと複雑になります。10畳ほどの温室、マックス1台の扇風機と3台のサーキュレーター、計4台を回しても余り芳しく無かったので1台だけクーラーの掃き出し位置付近、ラックの天井段に置いてみると天井付近、1.0℃から1.5℃ほど下がりました。夏場はサーキュレーターは床面でも問題ないですが、冬場は壁掛け扇風機やラック上段に設置する方が効果的です。これ手間に対する効果が大きいのでお勧めです。

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右側がサーキュレーターのお尻。温度は点灯時で24℃前後。もう少し上げても良かった。湿度はまあこんなもんか?

 

3:温度測定は小まめに

わたくし、フルタイムブリーダーですので今季ひたすら温度測定をしました。起床時、昼間活動時、点灯開始時、消灯直後かつ床面、中段、上段です。因みにウチの温室、点灯開始が18時以降です。室温というか温度差、ちゃんと把握しているのとざっくりですとではかなり違ってきます。この辺の話、またまとめてみたいと思います。

 
4:冬場のオーバーヒートについて
はい、冬場でもオーバーヒートで溶かします。特に暖房に切り替えた直後(11月末~12月頭頃)、棚の上段がやらかしやすいです。アグラオネマ、ブセ問わず溶けます。寒い時期に溶けると胸がキューっとなりますが、大抵は蒸れています。あと水槽台やゲージの台数が増えるとLEDの発熱だけでもかなり室温を上げますので、対策はやはりマメな温度測定からの温度調整です。因みに断熱性能を上げると暖冬の今シーズンだと3月頭には暖房を止めないと室温があがる日が出てくるので気を付けてください。(今年やらかした)
 
5:最低温度問題
温室の最低温度ですが2019-20年の冬シーズン、徹底的に温度測定しましたが基本的には22℃以上が望ましいです。20℃でもアグラやホマは問題が無いですが、かなりシビアに乾かし気味に水やりをこなす必要があります。室温が20℃ギリの場合、鉢内の水が多いとどうも根がやられやすい傾向があります。22℃の場合、水やりが多すぎても耐える傾向があります。ただここは来シーズン変わる可能性がありますし種類によってはもっと低温が良い草もあります。あくまでジメジメ系は現状は22℃以上あれば良いでしょうって感覚です。
 
温度管理ってかなり重要で植物飼育の基礎的部分ですが、意外に照明の台数やサーキュレーターの位置で変わってきます。更に断熱性能を上げると当然湿度も変わってくるので水やりにも影響が出て来ます。いや~来シーズンまた水やりで悩みそうです。
 
ー追記ー
追記というかかなり重要事項。
 
Q:Ver1とVer2,どちらを先に対策立てた方が良いですか?
A:絶対Ver2です。逆にすると間違いなくゲージ内が多湿状態になります。気中根が
 出てきたり、葉が馬背になり易くなります。まずは温室全体の断熱性能を上げて
 から、足りない分は個別で対応しましょう。
 
あと常湿化する場合、温室の断熱性能アップはメタクソ効果絶大です。クーラーが動かないもんだから余計な風が当たらない。まあ残念ながらもうシーズン終わっちゃいますが窓とドアの断熱対策、これはかなりお薦めです。