【まえがき】
今日は棒苗の目利きについてです。棒苗はフリマサイトやオークションサイトで格安で
販売されております。ただ中にはプロ目線で見れば「こりゃ買っても溶けて養分にしかならんなぁ」と残念な出品から「おっ!これなら行けるんちゃうか?」と掘り出しモノまでございます。ちなみに筆者、元祖棒苗と言えるくらい棒苗歴6年、切った数は1000株以上はあります。その中で数々の失敗を繰り返してきましたが、「ここの目利きさえ間違えなかったら90%成功」と言える目利きのコツがあります。コツはちょう簡単、切る前に一点だけ見ておけば大丈夫です。
なお今回の記事は棒苗の購入を推奨するものではありません。あくまで棒苗はセルフ(自家用)で扱うものでしょう。棒苗やメルカリ棒ですがオフ会や温室訪問の際「ダメ元」前提のお土産なら十分有りですが、トレードや金銭を伴う売り買いは正直もにょります。ただ棒苗飼育にはアグラオネマ栽培における重要な技術の習得には最適な課題が含まれております。みんなのあこがれの綺麗な卍株で下葉からも揃っている立派な株、あれは大抵取り木やタケノコを切って下から作り直しています。アグラオネマ飼育において初級から中級上級へレベルアップするためには皆さん必ず通る道であります。
【ここだけ見ればもう怖くなんかない】
と言うわけでポチるにしても切るにしても、目利きのポイントですが潜伏芽(以下タケノコ)の高さだけを見れば大丈夫です。茎や根の太さや状態は無視しても結構(でも太くて綺麗に越したことはない)。タケノコです。高さです。6mm以上です。大きければ大きいほどいいです。
矢印赤のタケノコ、高さが6mmアップあります。これならセルフで切って即日に植え込むなら、ほぼ大丈夫です。ただ発送が絡むと微妙。マージン取ってもう少し大きい方が良いです。青の矢印は1mm±なのでセルフで切って植えても大抵養分になります。ウチでは切らないかもしくは廃棄です。そこで成功率のイメージをグラフにしてみました。
皆さん「タケノコが大きいほど上手く」ってイメージは持っておられると思います。多分青線のイメージではないでしょうか?しかし実際は赤線で4㎜を境に成功率が大きく変わって来ます。ウチの場合、4㎜で切らざるを得ない場合「まあ出ればOk」って扱いになります。4㎜でもほぼドリルは出てくれるんですが極端に小さい葉が出たり予後が悪い場合が多いです。フリマサイトやオークションなど発送が絡む場合はマージンを取って7mm以上ならポチっても打率は高いです。自宅で切ってセルフで扱う場合は6㎜以上あれば初心者でもうまく行くでしょう。(生体が痛むのは植物魚類エビ類含めて発送と輸送時です)
【棒苗の管理法】
次は棒苗(タケノコ)を切った後や入手した後の管理方法です。特に消毒と水やりの管理は本一冊が書けるくらい重要です。
1:切る時は必ず刃の消毒をしましょう。★★★
切る時は事前に刃の消毒をします。消毒は刃を火であぶる、熱湯消毒、アルコール等
なんでもいいです。そして切った切り口は瞬間接着剤で止めておきます。
2:ミズゴケ一択★★
数字は取っていませんがソイル系よりもミズゴケの方が打率が良いイメージです。
ミズゴケは出来ればAAAクラス以上。あと鹿沼単用でも行けそうですが試したことが
無いので割愛。
3:水やりの管理★★★
基本乾かし気味が上手く行きます。水やりは乾いてから与えるよりは最初から
ミズゴケを絞ってしっかり水を切ってラップで蓋をして乾燥しにくいように
する方が無難。
葉っぱ2枚が出るまで植え替えは控えるのでハイタイプがお勧め。鉢の高さ20㎝は欲しい。
3:温度
これは数値取っていないので割愛。23度~30度くらいかな?
極端に低いのは流石に不味いはずなんで冬場20度を切るような部屋なら
春まで待った方が良いでしょう。
植えこんだ後、早いタケノコですと一週間で1ドリル出ます。長くても3か月以内で1ドリルでます。それ以上かかる場合は予後が悪いので廃棄も選択肢に。基本的に成長スピードと予後の良さは棒苗の状態(茎の太さ・根の状態)よりもタケノコの大きさに左右されます。←ここテストに出ますからね!!
タケノコは小さいんだけど茎が太くて根も新鮮な見た目だけは良さそうな棒苗、絶好球に見えますがあれ超地雷です。
【あとがき】
とりあえず「タケノコの高さの見極め」が重要なのを伝えるためにかなり端折りました。大事なので何度も繰り返します。「タケノコの高さ」です。ポチって良いのは7㎜以上です。セルフで切って良いのは6mm以上です。どうしても欲しいいいいい今日切りたいって場合でも4㎜以上です。では具体的にタケノコの写真で解説。
4㎜±ですね。この大きさだと「出ればok」扱いです。本当はあと2か月切らずに畜養してからカットが良いんですが、都合で仕込みました。まあドリルは出ますが予後が悪くて株として仕立てられるかどうかは50:50ですね。
これだと7㎜はあるのでウチでは確実にバックスクリーンに放り込みます。「茎径細くないですか?」そこは余り関係はありません。
芋塊やらかしてかりんとう化しています。苦戦はしますが12㎜ほどありますのでなんとかモノに出来ます。
「ところで甲斐さん、タケノコが量産出来た暁には連邦軍にも勝てるんじゃね?」
それが出来たら苦労はせんのじゃああああああああああ!!!!!!!!!